活動報告

2013年06月26日(水) 一般質問②(修学旅行で遊就館を訪問した問題)

二次質問の概要は以下の通りです。

つい最近、同じ会派の議員さんが、市内中学校の道徳公開授業に参加したところ、トルコの軍艦「エルトゥールル号」の話を先生がされたそうです。
120年前、トルコの軍艦が和歌山沖で難破、日本国民が献身的に救難活動を行ったことで、約600名中、60名ほどの命が助かったという事件がありました。
トルコはその時の恩義を忘れず、いまだに小学校の教科書でこの事件を教えおり、それがトルコが日本に親切な理由だそうです。 
道徳の授業だったので、「人に親切にすることの大切さ」を教える内容なのだと思います。

しかし、トルコが日本に友好的なのはこれだけが理由なのではありません。
当時、トルコは、欧米列強のロシア帝国に軍事的圧迫を受けて苦しんでいました。そこに同じアジアの小さな国である日本が、世界最強のバルチック艦隊を撃破し、日露戦争に勝利し、それを間接的なきっかけとしてロシア帝国が崩壊したため、トルコはロシアの軍事的圧迫から開放されたのです。
これには、トルコは驚き、喜び、そしてアジア人でもやれるという勇気を与えられたと伝えられています。
このような歴史が日本との友好関係の基礎となったのです。軍艦を助けた話だけが取り上げられるし、また教えられますが、隠された背後にはこのような歴史の大きな流れがあります。

トルコだけではなくて、インドをはじめ、ほぼすべてのアジア諸国は日本と大変友好的です。
アジアの「誇り」、「希望」とまで思ってくれている。それはなぜなのか?
戦後、ODAで経済支援したからだけではありません。
こういった世界平和についての理解、この理由を大局的な歴史の事実から探ることもまた、平和学習の1つになるのではないかと思います。

国際社会の平和を維持するためには、国家間の「信頼関係」と「友好関係」が不可欠です。なぜ日本はこれほど多くのアジア諸国と「信頼関係」、そして「友好関係」を築くことができたのか。
その反面、なぜ中国、北朝鮮、韓国とは築けないのか。
児童生徒が、様々な角度から、客観的な歴史の事実を総合して、その理由を探ることもまた、重要なことではないでしょうか。

たとえば、修学旅行で、今まで学校教育では触れられてこなかった視点から、なぜアジア諸国に親日国家が多いのかを示唆し、平和を実現し、維持するために、どれほど多くの尊い命が失われたのかを教える施設を訪問することもまた、二度と戦争を繰り返さないための平和学習ではないか、と思います。

一面的な事実や価値観ではなく、違った見方、物の考え方に触れることで、児童生徒が自ら課題をみつけ、自ら学び、主体的に判断できる契機をつくっていくことは、「生きる力」を育成するうえで大変貴重な機会です。

そこで、お聞きします。
先日の代表質問の中で、市内の中学校が修学旅行で、靖国神社に併設されている遊就館を平和学習の場として利用したことに対して、「今後、そういったことの起こらないようにする」という趣旨の答弁がありました。
これは、遊就館が平和学習の場として間違っており、今後一切、遊就館を平和学習の場として利用すべきではないという趣旨と考えてよろしいでしょうか?

(教育委員会の答弁) ・・・・・ 

今回は事前学習が十分でなかったため、訪問すべきではなかったということですね。ということは、一般論として、遊就館が平和学習の場として間違っており、今後一切、遊就館を平和学習の場として利用すべきではない、という趣旨ではない、ということですね。

(教育委員会の答弁) ・・・・・

代表質問での教育委員会の後ろ向きな答弁が、各校の独自の自主的な判断を萎縮させないか心配です。

以上です。


※教育委員会の答弁は正確を期すため、議事録の公開を待っていただきますよう、お願いいたします。