活動報告

2012年06月09日(土) すみれ墓苑事業 ~ 事業開始の経緯

昭和40年に設立された「旭国際開発株式会社」は、昭和41年の「旭国際宝塚CC」を皮切りに、合計5ヶ所のゴルフ場を開発し運営。ゴルフ場に付帯するレストラン・ホテル等の経営も行い、平成5年には売上83億円を計上していた。

その後、ゴルフブームの鎮静化により急速に業績が悪化。売り上げはピーク時の半分以下に落ち込み、「預託金返還請求」の増加から平成8年頃より資金繰りが悪化して赤字の状態が続いていた。

平成14年3月、「預託金返還資金」を捻出するため、27ホールある「旭国際宝塚CC」の最も奥に位置するコースを「霊園用地」として宝塚市に売却提案した。この結果、二束三文の急勾配の土地を坪単価「19,000円」で売却し、12億円余りの資金を得た。

平成16年8月、旭国際開発株式会社は神戸地裁に民事再生手続き開始の申し立て。内容は債務総額560億円(うち490億円は預託金、70億円は借金)だった。


「宝塚市議会50年史」の平成14年の項に、当該事業開始にあたっての補正予算審議の様子が記録されている。
「反対論は、立地選定などの経緯が不透明で議会への説明も十分でないこと、買収価格が高すぎること、買収面積が大きすぎることなどを指摘して、今回の補正予算案において土地鑑定予算を計上するのは時期尚早であるとした。本会議では、反対の立場をとる議員による活発な質疑が行われたが、反対派は最終的な採決には加わらないという態度をとったため、採決結果は全員賛成となった。」


思うに、十分な市場調査も行わず、拙速に取得を決定した経緯には疑問を感じる。また土地購入資金、開発資金の全てが「借金」で賄われていることは、長期的なプロジェクトとして採算性に問題があったのではないか。仮に公開企業であれば株主代表訴訟を提起される可能性すら否定できない事案だと考える。