活動報告

2012年08月08日(水) 再生可能エネルギー及び外部行政評価についての視察①

宝塚市では現在、再生可能エネルギー導入についての調査研究を専門の担当課を設けて遂行しています。また、10年にわたり行われてきた内部行政評価から、外部行政評価へ移行させようとしています。
そこで、市議会議長のお声掛けにより、議員有志で上記課題の先進市である稚内市を行政視察いたしました。

稚内市は760.80㎢の広大な土地に人口38,000人の、言わずと知れた日本最北端のまちです。
また、稚内市は平成23年から10年間で、CO2排出量25%削減を目標に設定している「環境都市宣言」のまちでもあり、エネルギー自給自足に向けた地域資源活用型の環境都市を目指しています。
今年度から具体的に同様の方向性を打ち出している宝塚市の今後のエネルギー施策を考えるにあたって、大変参考になる視察でした。

宗谷岬には風力発電の風車が立ち並び、稚内市内の全電力消費の約85%を賄える発電量を有しています。1つのファームの中に立つ風車の本数では日本最大、発電量は全国4位の規模です。
風力発電はイニシャルコストが高い上に、比較的短期間で寿命がつきる欠点があります。また運用途中の故障が多く、また周辺に低周波騒音の問題を及ぼします。
稚内市で全国最大規模のファームが実用化されているのは、周辺に人が住んでいない環境であることや北からの風が途切れることなく吹き付けていることなどの特殊事情がありそうです。
宝塚市では市街地でも西谷地域でも実用化は明らかに困難です。

次に市町村が所有するメガソーラーとしては日本最大規模の発電所を視察し、詳細な説明を受けました。
写真の施設はNEDO(独立行政法人新エネルギー産業技術総合開発機構)の実証実験のために70億円かけて設置されたもので、現在は市の所有になっています。
仮に民間であれば値交渉などで約3分の1程度のイニシャルで設置できます。この稚内市の施設のイニシャルとしては35億円で元が取れるそうなので、仮に民間価格であれば、最初からイニシャルコストを拠出していてもビジネスとして成り立つことが分かりました。

冬はソーラー面が雪に覆われるので、その分発電効果は落ちますが、ソーラー発電はソーラー面が冷えているほうが発電効率が高くなるため、雪が降り、風が強い環境が全くの悪条件かというと、そうでもないそうです。

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