活動報告

2012年06月16日(土) 霊園事業の今後

先日「すみれ墓苑」のスキーム変更についての報告をいたしましたが、宝塚市にはこの他に「西山霊園」と「長尾山霊園」という二つの霊園があります。宝塚市では、この二つの霊園に「火葬場」を加えた市営霊園事業を指定管理者制度に移行する可能性について検討を続けていました。

宝塚市行財政改革推進委員会が平成23年3月30日に提出した「最終提言書」に、上記市営霊園事業についてのコメントがありますので、参考のためにご紹介しておきます。


霊園、火葬場の運営形態については、国(厚生労働省)及び兵庫県の指針等により、市町村の直営を原則とし、それが不可能な場合にのみ宗教法人、公益法人等に限って経営許可を与えるものとされている。また、新公益法人制度施行後においては一般社団法人、一般財団法人による墓地の経営は適切でないとする旨の通知が国より出されている。

宝塚市では、こうした国、県の指針等に従いながら、今後の霊園、火葬場に係る財政負担を軽減するため、(財)宝塚市都市整備公社を受託事業者とした指定管理者制度の導入の可能性について検討を行ってきたところである。しかし、同公社が市の依頼によって経営する「宝塚すみれ墓苑」の応募状況は必ずしも良い状態にはなく、経営が安定しない状況にある。かつ、新公益法人制度の下での公益認定を受けるための準備段階にあり、指定管理者の受託適格となるかどうか、経過を見守る必要がある。

以上より、西山・長尾山霊園及び火葬場の運営については、今後、当面の間、市の直営を続け、同公社の公益認定と経営安定化を待って、あらためて同公社による指定管理者制度への移行を行うべきである。

市の直営方式による運営を当面維持するなかで、職員の配置、雇用形態を含め、さらなる経費の節減に努めねばならない。また、阪神間他市に比較して低く設定されている火葬場の市外料金については、他市と均衡する水準まで引上げを行うべきである。


以上です。

6月議会では「宝塚すみれ墓苑」を(財)宝塚市都市整備公社から買取って市直営にする議案が提出されています。理由は都市整備公社による経営が上手くいかないからですが、このような公社に西山・長尾山霊園及び火葬場を受託させても経営やサービスは向上しなかったでしょう。
6月8日の記事にも書いたとおり、(財)宝塚市都市整備公社の経営は市職員が兼業で行っているのです。つまり、実質的には市直営と同じです。

「すみれ墓苑」のように「大変困難な状況に直面している」事業を経営するには、民間の知恵を借りる他ないのではないでしょうか?原則として公共が担うべき墓苑事業ゆえに、あくまで市直営にするのであれば、経営陣に民間出身者を入れるとか、アドバイザーを付けるなどの方策を検討すべきだと思います。