活動報告

2012年03月29日(木) 郷土史研究・視察

3月15日、予算特別委員会第4日目には、地域の伝承や郷土史についての社会教育・義務教育での取り扱いを質問いたしました。
地域で語り継がれてきた伝承や伝統行事などは、その地域が主体となって後世に伝える努力をしないと、そのうち雲散霧消してしまう儚いものです。

本日は郷土史研究会の有志議員グループで西谷地域の史跡を巡る研究視察を行いました。千年前から伝わる郷土の歴史や伝承、それにまつわる社寺などを知ることができ、また観光行政へのサジェスチョンもあり、大変収穫の多い視察となりました。


3月4日の活動報告(宇治平等院)でご紹介したとおり、源頼政の曽祖父・源頼光のこれまた曽祖父・源満仲は摂津源氏の棟梁であり、宝塚市を含む摂津地域を支配していました。

千刈水源地の近くにある普明寺に伝わる伝承(龍馬神伝説)はこの源満仲が主人公です。
普明寺のある波豆(はず)の里は実りの多い豊かな里でしたが、ある年ひどい干ばつに見舞われます。その原因が普明寺の近くにある泉(写真左)に住み着いた大蛇の妖怪だったのです。大蛇が住み続ける限り、波豆の里は飢饉で滅んでしまいます。

もともと泉に住んでいた龍馬神が美しい乙女に姿を変え、若き満仲に妖怪退治を願い出て、満仲は妖怪退治に出かけます。ところが大蛇はめっぽう強く、満仲が食い殺されそうになったその時、どこからか天かける美しい龍馬神が現れ、満仲はその龍馬に跨って空を飛びながら妖怪を打ち亡ぼしたというお話です。
その後、龍馬神を祀った普明寺は雨乞いの霊験あらたかな寺院となりました。
写真(中)は普明寺を開山した源頼平(満照)の墓。頼平は源満仲の四男と言われています。


それにしても、満仲の家系(満仲~頼光~頼政)は妖怪退治が得意です。源頼光は大江山の鬼退治(酒呑童子伝説)が有名で、家来で頼光四天王の一人である坂田金時(金太郎のこと)は、宝塚市域の川西飛び地にある満願寺に眠っています。

また、源三位頼政は、顔は猿、胴は狸、手足は虎、尾は蛇という怪しげな「鵺」という怪物を退治しています(平家物語)。頼政は平清盛政権下で栄達した人であり、王朝文化と武家文化を体現した武人です。平家打倒の檄を飛ばし、頼朝を挙兵させるなど歴史的にも重要な人物です。

この頼政の鵺退治の物語ですが、この5月に「たからづか能」で能舞台が催されます。興味のある方はぜひ参加してください。

能「鵺(ぬえ)」梅若猶義ほか
平成24年5月12日(土)14:00~(開場は30分前)
宝塚ソリオホール(特設能舞台)
指定席一般3,500円(当日4,000円)
自由席一般2,800円(当日3,300円)
詳しくは宝塚市文化振興財団(0797-85-8844)まで

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