活動報告

2012年01月25日(水) 行財政調査特別委員会視察②

【ふじみ衛生組合(東京都三鷹市及び東京都調布市】

三鷹市の人口は約19万人、世帯数約9万世帯。面積16.50平方キロ。一般会計は約650億円。議員定数は28人。
調布市の人口は約22万人、世帯数約11万世帯。面積21.53平方キロ。一般会計は約770億円。議員定数は28人。


視察事項は『新ごみ処理施設の建設について』です。

宝塚市では小浜1丁目のクリーンセンターを2023年まで長寿命化するための修繕工事を実施する予定です。その後は新しいクリーンセンターをどこかに建設しなければなりません。その参考にするために、来年度竣工予定のふじみ衛生組合・新ごみ処理施設とその建設計画を行政視察いたしました。

三鷹市と調布市は、共同でごみ処理施設を整備するため、平成11年8月に「新ごみ処理施設に関する覚書」を交わし、新ごみ処理施設の整備について検討を進めました。この検討結果をとりまとめた「新ごみ処理施設整備基本計画」を平成18年3月に策定し、現在、ふじみ衛生組合が事業を推進しています。


主な質疑内容は以下の通りです。
Q.整備方針決定に至るスケジュール及び留意した点について
A.市民参加による事業推進を特徴とし、環境影響評価手続きとのスケジュール調整に留意した。※詳細な経過と市民参加プロセスの説明を受け、資料を入手した。

Q.用地選定の経緯について
A.市民主体で設定した14項目の相対比較項目で候補用地を総合評価した。※14項目の説明を受け、最終結果の資料を入手した。

Q.準備段階の費用について
A.詳細な説明を受け、受託業務受託者と契約金額の一覧資料を入手した。準備段階の費用としては、環境影響評価業務が約1.2億円で最も高かった。

Q.整備費用の資金計画について
A.「循環型社会形成推進交付金」、「起債」及び「一般財源」の3種で資金計画を立てた。
※平成21年3月の入札公告段階では事業費285億8,600万円(税抜)だったものが、平成21年9月の落札者決定段階では事業費145億円(税抜)とほぼ半額になっている。内訳は建設費156億円(税抜)が96億8,000万円に、20年間の運営費129億8,600万円(※委託料149億8,600万円-売電収入20億円)が48億2,000万円(※委託料113億9,000万円-売電収入65億7,000万円)となっている。
入札方式が成功した事例と言えると同時に、当初の見積り額が適正だったのか疑問に思った。

Q.DBO方式を導入した経緯について
A.ふじみ衛生組合では、「事業に対する信頼性」、「事業開始の確実性」、「財政支出額の低減」を重要視して事業方式を決定した。その結果、公設公営の従来方式ではなく、PFIに準じる方式であるDBO方式を採用するに至った。事業者の選定にあたっては、総合評価一般競争入札を採用した。
※PFI(Private Finance Initiative)とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行うに際して、民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う新しい手法である。また厳密には、公共が資金調達を行うことから、PFIとは異なるが、これに準じる方式であるDBO(Design Build Operate)方式も、公共施設等の建設、維持管理、運営等を行う新しい手法である。
※ふじみ衛生組合では、民設民営であるPFIよりも公設民営のDBOの方が、資金を安く調達できることを主な理由として、DBO方式を採用した。

Q.契約にあたり留意した点について
A.①ごみ量、ごみ質、売電単価等のリスク分担の明確化、②委託料の支払いについて、③売電収入の帰属について、民間に帰属させることがポイントである。その方がインセンティブを高められる。

Q.ストーカ式燃焼装置を選択した経緯について
A.焼却灰をエコセメント化するため、焼却炉はストーカ式とした。※詳細な説明を受け、資料を入手した。

Q.市街地での施設整備にあたり、設備上で留意した点について
A.①排ガス自主規制値の設定(※具体的な規制値については資料を入手)、②建物高さを28mに抑制。

Q.近隣対策について
A.①地元協議会の設置、②工事協定書の締結、③環境保全に関する協定書(締結予定)。

Q.余熱等の有効利用について
A.三鷹市の防災公園・多機能複合施設(温泉施設含む・平成28年完成予定)に40℃の温水を60t/h供給する予定。供給熱量は5GJ/h。

その他にも質疑を交わすことができ、大変有益な行政視察となりました。
宝塚市の新しいクリーンセンターの建設事業は10年仕事になります。よりよい施設にするため、ふじみ衛生組合の事例を大いに参考にしたいと思います。

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