視察2日目は「緑と花と彫刻のまち」を標榜する宇部市を訪ねました。
宝塚市も「花と緑のまち」を標榜し、中心市街地には数点の近代彫刻を配置している関係で、まちづくりのテーマが類似する先進都市の視察となったわけです。宇部市を軽く見ていたわけではありませんが、正直なところ、緑と花と彫刻のまちづくりの想像を超える規模に圧倒されました。豊かな緑の中に点在する200以上の彫刻を鑑賞しに宇部市を訪れる観光客が増えています。
宇部市発展の礎は、明治期以降の石炭産業の振興により築かれ、その後の戦災で市街地の大半が焼失したものの、まちの復興にかける市民の熱意により、順調な戦後復興を遂げました。
この市民のまちづくりへの熱意は、その後の都市緑化や公園整備になどに幅広い展開を見せ、特に彫刻によるまちづくりに関しては、国内有数の歴史と権威を誇る「UBEビエンナーレ」の開催をはじめ、市内随所への彫刻の作品の設置など、宇部市固有の情景を醸成しています。
まちのメイン道路である国道190号線沿いに花壇を設置し、それぞれのエリアに所属する団体が美しい花壇の作成に勤しんでいます。「花壇コンクール」を年2回実施することで、約150もの団体が腕を競い合う状況が生まれているのです。春はキンセンカ、秋はサルビア、マリーゴールドの花が道路、公園、学校、事業所などで咲き誇り、まちの彩となっています。
宝塚市でも花壇の設置は市民との協働で推進していますが、コンクール等の「競争」によって、さらに市民の力を引き出す宇部市の取り組みは新鮮なサジェスチョンを与えてくれました。