夫婦別姓について ~ 保守向けの説明

【夫婦別姓 パート I】
いわゆる「選択的夫婦別姓」ではファミリーネームがなくなり子供がどちらの姓を名乗るかで混乱します。兄弟で違う名前になることも。これはいけません。しかし、若者を中心に国民の過半数が「選択的夫婦別姓」を否定しない現状では、早晩、法案が可決されてしまうでしょう。それを食い止めるべく、稲田朋美は夫婦同姓〔ファミリーネーム存続〕でありながら、旧姓を法的に使えるようにする「婚前氏続称制度」を提唱しています。現実的な落とし所を考えないと、結局、左派の思惑通りになります。
【夫婦別姓 パートII】
現在、96%の女性が男性姓に変えるので男性は実感が湧きませんが、これが逆に男性が女性姓に変えることを想像すると実感が湧くと思います。どうしても先祖伝来の名前を変えたくない、残したい人がいます。私も大河内という名前を消滅させて女性側の姓に変えたくありません。それは私の代で家を潰すということだからです。通称として残すと言われても、それは本当の名前ではなくあくまでニックネームです。家は潰れます。
選択的夫婦別姓では戸籍に二人の名前を対等に書きます。どちらも対等なのでファミリーネームがなくなり、家族の統一感がなくなります。子供もアイデンティティを持てないでしょう。兄弟で違う苗字という場合も出てくるでしょう。これはやはり良くないのではないかと思うのです。
そこで稲田朋美は婚前氏続称制度を提唱しています。結婚した際、今まで通りどちらかの姓をファミリーネームとして決めますので、子供はその姓を名乗りますし、その姓を継承します。ただ、旧姓を使い続けたい人(家を残したい人)はそれを戸籍に併記する形で、少なくともその方の一代は戸籍に名前を残すことができます。家が潰れるまで50年程度の猶予ができるわけですからその間に養子縁組もできるでしょう。
それにしても、戸籍に名前を併記するだけで家族の一体感が失われる、共産党の陰謀だ、などと言う人がいますが、なぜ戸籍に併記しただけで家族が崩壊するのか分かりません。
併記した結果、ファミリーネームがなくなれば、たしかに一体感は喪失しますから、崩壊のベクトル(それでも崩壊などしないと思いますが)かもしれませんけど。
二人の名前を併記しても、ファミリーネームを一つにするなら実質的には今までと何も変わりません。
また、旧姓を通称として使えば良いと言いますが、先に触れたように通称ではその時点で家は潰れているのです。それを回避したい人の気持ちも尊重すべきではないでしょうか。
また、一般論として通称の拡大は社会を不安定にします。戦後80年経ち、在日の方々の通称使用(特別扱い)もそろそろ解消したいところですが、当の日本人が通称の使用を拡大してどうするのですか?
縷々書きましたが、稲田朋美の政策を全力でサポートするのが小職の務めです。私なりに婚前氏続称制度の趣旨を咀嚼して説明したつもりですので、ご参考になさって下さい。
【夫婦別姓 パートIII 】
夫婦別姓訴訟が最高裁の「大法廷」で開かれます。最高裁の小法廷2つが大法廷に別姓訴訟を回付したのです。これは、5年前の最高裁合憲判決に対し、疑問を持っている小法廷が2つある(3つのうちの2つ)ものと考えられます。
大法廷は、法律が憲法に違反するかなど重要な判断が必要な場合に開かれます。
5年前の大法廷判決では、 15人のうち5人の裁判官が憲法に違反するという意見を述べました。あと3人が違憲と判断すると、夫婦同姓の現行制度に違憲判決が出ます。
さて、ここからが重要です。もし、違憲判決が出てしまえば「選択的夫婦別姓」実現の流れが決定的になります。その場合、別姓を選ぶのは1割強に上ると見込まれていますが、その方々にファミリーネームはなくなります。
今回、大法廷でかろうじて合憲判断がなされたとしても、夫婦別姓訴訟は数多く続きます。さらに5年後くらいには、今度こそ違憲判断がなされる可能性が高いでしょう。
それまでに、ファミリーネーム(夫婦同姓)を残す、稲田案「婚前氏続称制度」を落としどころとすべきじゃないでしょうか。皆様、如何お考えですか?