「リベラルという病」

最近、TVでも活躍している山口真由氏の「リベラルという病」(新潮新書)を読了。リベラルとコンサバの二軸について、米国の「民主党」は大きな政府・軍事積極介入(介入主義)・自然の克服、「共和党」は小さな政府・軍事不介入(孤立主義)・自然への畏敬、我が国の自民党は共和党にシンパシーを抱きつつも、実際には大きな政府を実現しており米国の民主党に近いと指摘。

この本はLGBTに対する記述が大変多く、同性婚を議論する上で避けては通れない家族の在り方についての記述も豊富。保守、リベラル双方に対して客観的で公平な見方がなされていて、保守でも拒否感なく入っていきやすい本だと思いました。LGBTに関しては、基本的に「こうあるべき」という筆者の意見は表明されておらず、リベラル、コンサバ双方の考え方に淡々と触れられています。

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アマゾンのカスタマーレビューに「LGBTと同性婚についての記述がひどい」というコメントがあって、当事者に寄り添わない客観的な態度に不満な様子。しかし、世間に広くLGBTへの理解を促進するためには、このような客観的な本も必要ではないでしょうか。別のコメントに「この本を読んでなお理解できない方は、まさにリベラルという病なんだろうと思います。同性婚を単なる当事者に寄り添う感情論で考えてしまってはいけないと改めて感じます。遺恨を残さないためにも慎重に議論する時間が何より必要です。」とありました。私も同意見です。

私はLGBTに関心を持ってもらうためにも、この本を保守の皆様に是非読んでいただきたいと思うのですが、自民党政務調査会・性的指向・性自認に関する特命委員会アドバイザーの繁内幸治先生はリベラルにこそ読んでほしいとのこと。いずれにしても一読の価値はあると思います。