子ども発達支援センター訪問のご報告②

② 本人中心支援、保護者に寄り添った支援のお願い

Q1 いくら子どもが小さいとはいえ、いかなる状況においても本人中心の支援であるべきなのに、計画相談をする際に子どもを別室にしようとする場合があるのは間違っている。保護者の話だけ聞いて計画書を作る事は正しいことではないはずである。その点をどのように考えるか?

→ 繊細な子どもの場合、大人の会話を察知してしまい、過敏になってしまうことがあるので別室を案内している。別室では介助員が子どもの様子を見ており、相談員に報告している。

(保護者の意見)そういう事情は理解できるが、障がいの程度や年齢に関わらず、本人を中心に行われるべきものであり、全員同席する時間も必要。

→ 必ず相談員が直接子どもの様子を見る時間を設ける。

Q2 初めての発達相談で、※担当医師に発達障害を告げられる親の精神的な受け皿をきちんと整えるべきである。療育していく親の支援をしなければ、発達障害児にとってさらに険しい環境にもなりうる。※相談のつもりで行くと、数分あるいは数秒でズバッと診断を下されて、フォローの言葉もなくショックから立ち直れないお母さま多数。保健師のアフタフォローはあるが…。

→ 実際難しい。保健師で対応する。 医師を増員して2名体制になった。

Q3 ※情報提供が非常に少ない。具体的には療育施設の案内や病院の紹介数など。他市のように支援についてまとめた冊子を作れば、支援者も利用者も理解しやすいのではないか?※発達相談で教えてもらう児童デイ等の事業所は2,3箇所限定で全体数がわからない。病院も2か所のみ。

→ お母さんが全てに電話するのは負担になるので子どもの様子を見て、合いそうな所を紹介している

(保護者からの意見)それは良いと思う。しかし選択の自由の観点から併せて全体の情報も出してほしい。市のHPには事業所一覧もあるし、私たちも市のリストを基にリンク付きのリストを作っているので、活用してほしい。

→ 併せて出すようにする。 現在発達支援センターでも事業所情報をまとめた一覧を作成し、事業所に内容確認してもらっている。(掲載情報としては、各事業所のパンフレットを基に、送迎有無、開所時間、土曜開所の有無とある場合は時間、療育内容の特徴)

※①-Q3’で提案した冊子製作についても、各部署に実現に向けて働きかると、後日、最終的に前向きな回答いただいた。

以上 <そのほかの会談内容> Q 相談の際に療育手帳について聞くと「取得されてもいいが、我が子が”障がい者”と社会的に認定されると思うお母さんも多いが、大丈夫か?」などと、不安をあおるような事を言う支援員がいる(そして、これはかなり差別的な発言である)。療育手帳などの受けられるサービス情報についても正しく説明しておくべき。

→ 療育手帳については、拒否反応を示される方も多いので伝えることが難しい。

Q 情報を選択するのは保護者であるし、正しく情報を伝えた上で、不安を取り除いていくのが大前提。不安をあおるようなこと、差別的な発言は相談員の資質に関わるのでは?

→ 担当に話をする。情報は伝えるようにする。

子ども発達支援センター訪問のご報告①

教育委員会への訪問の後、保護者の皆様と共に子ども発達支援センターを訪問しましたので、質問及び要望を報告します。12月議会での私からの一般質問以降の動きも知りたかったので、有意義な訪問になったと思います。以下、保護者代表の方のブログから転載させていただきます。

【子ども発達支援センター】※こちらでは主に就学前までの相談支援、計画相談(サービス等利用計画)等をしていて、1歳半検診や3歳半検診で発達が気になるお子さんが市から紹介されて、最初に行く施設。 ※これまでに交流会等で、多くの不満の声が上がっているので、教育委員会とは違う形式で申入れの文書を作成しています。 申入れ文書に回答を挟み込む形でまとめています。(口頭での回答を書き起こしています)

① 相談支援員の人員増加と専門性の向上のお願い

Q1  相談員はワーカーとしての役割を果たせないほど多忙になっている。改善の見込みはあるのか。

→ 平成27年度から相談支援員を1名から2名に増員した。補助員は現在4~5名で全員保育士資格あり。

Q2  特に幼児期に限っては、相談窓口が限定的でさらに長い期間待たなければいけない。利用者負担や選択の自由の面から言っても妥当であるとは言えない。

→ 現在9か所指定事業所があり、選択可能。新規の方については、できるだけ待ち時間を短くし、1か月以内には相談に繋げている。更新時には確かに待ち時間がある。

(保護者からの意見)しかし、現状は市内ほとんどのお子さんの計画相談をしている。実働はここともう一か所で、そこは半年待つという事もあると、担当者が話していた。看板を掲げていても実際には計画相談をしていな所もある。ここを選択せざるを得ない実態を把握していない。

Q3 相談員は支援者と当事者をつなぐハブでならなければならない。そもそも、そのことを理解している保護者が少ないのは説明不足である上に、行政の書面作り代行と療育施設にのみの連携である。学校、医療関係者もつなげなければ支援者をつなぐワーカーとしての役割を果たせておらず、結局当事者家族の負担は減らない。厳しい言い方をするが、これは怠慢であり機能不全であると言える。早急に改善していただきたい。

→ 通所してくる子どもや日々の業務で忙しくて手一杯。必要がある子は学校と連携をしている。

(保護者から意見) それでは、計画相談は忙しいという理由で、やらなければいけない事もできないということか。行政の書面作成代行と療育の事業所と母親からの聞き取りだけで、本人中心の包括的な支援計画が立てられるのか。週に1回か2回の療育施設より、園や学校の方が、より密接に子どもと関わっているにも関わらず、連携がなければ片手落ちである。

→(書ききれないほどの、忙しさについての説明があり、それに対して意見をし、ようやく)やっていきます。

Q3’忙しいということであれば、宝塚市にはない支援についてまとめたリーフレットを作りませんか?西宮市には(エントリー用の)リーフレットがあるので、説明する側も簡単に案内できるし、利用者も必要な時に気軽に開いて確認できる。左が宝塚の児童デイ等一覧、右が西宮の支援サービスで、手続き方法等を一冊にまとめた冊子※現在の宝塚市では、それぞれの情報が担当課に散らばっている上に、公開されている情報もHP上のかなりわかりにくい場所にある。また、療育手帳取得や療育等受給者証についての案内もわら半紙1枚で、こちらも非常にわかりにくい。

→(西宮の冊子を見ながら)このページは担当が障害福祉課やから…こんな立派なの作ったら、事業所に変更があった場合は…、これは発達支援センターではできない。

(保護者からの意見)西宮のこども部会が出しておられるのですから、宝塚でも同じようにこども部会で提案してみることはできるのではないですか?障がい福祉課が担当ならば、その部署と連携してください。全部をここでしてくれと無理なお願いをしているわけではない。これがあれば、職員の方も説明が簡単になる、という話でもあるんですよ。

→(非常に渋々)どこまでできるかはわかりませんけど、提案はしてみます。できるとはお約束できませんけど。

Q4 支援の質を向上させるための研修会や近隣自治体合同勉強会などに積極的に参加しているのか?

→ 宝塚市主催で年6回職員向け研修会を開いて近隣市からも参加者が集まっている。

(保護者からの意見) それはわかりました。こちらから出かけて行っていますか?

→ 情報がないのでわからない。

(保護者からの意見)阪神間の意見交換会では宝塚市だけ出席していないという話をよく耳にしますので、情報を取りに行って、近隣自治体の良いところや取り入れたり、情報交換してください。

発達障害に関して教育委員会訪問のご報告

【5月18日(水)】 保護者の皆様とともに、教育委員会と子ども発達支援ンターを訪問。質問及び要望をいたしました。以下は保護者代表がブログに纏めておられたものを転載させていただきました。

【教育委員会への質問・要望】
Q1. 共生社会の実現に向けての第一歩である※インクルーシブ教育が本流になりつつあるが、現在の宝塚市としての取り組みと今後の展望についてどのようになっているのか。※インクルーシブ教育とは、障がいの有無によらず、すべての子どもが地域の学校、通常のクラスで共生し、個々のニーズに合わせた学習できる教育のこと。
→インクルーシブ教育という言葉は最近になってもてはやされるようになったが、以前から地域の学校では、支援学級と交流学級との行き来で交流を持ってきている。これからも続けていきたい。
(保護者からの意見) 交流という形ではなく、ひとつのクラスで同じように学べる環境作りができるように考えていってもらいたい。

Q2. 特別支援教育の目的(※キャリア教育)を明確にして教員全員が確認及び共有する必要性がある。※キャリア教育とは、これまでの進路に限った指導ではなく、将来を見据えて働くことや自律して人生を歩んでいくために必要な能力などに重点を置いた教育。
→昨年度から、県全体としてキャリア教育への取り組みが始まったところである。これから研修など通して教員全体の意識アップに取り組む。

Q3 .特別支援や支援学級の先生の質の向上のための取り組みをどのように行っているか。研修や勉強会などの参加、開催状況。全体としての底上げしてほしい。専門性の担保。
→各学校でのその時々の課題に応じて、校内では年2回全教員対象に専門家を招いたり、支援コーディネーターを講師として研修会を行っている。(発達障がいに限定せず)
(保護者からの意見) 特別支援学校での研修もされているが午後4時からという時間の関係上、参加したくてもできない地域の学校の現状もある。時間の調整などを行い、もっと積極的に参加できる工夫をお願いしたい。

Q4. 地域の小学校に※通級があるのは二校のみ。学習機会が均等といえない。どのように改善していくか。※通級とは、軽度の障害をもつ児童生徒が、通常の学級に在籍しながら、障害の状態に応じて特別な指導を受ける教育形態。ほとんどの授業を通常の学級で受けつつ、通級指導教室で自立活動や各教科の補充指導などの授業を受ける。※支援級の場合は在籍は通常クラスではなく、支援級。
→宝塚市では現在小学校2校、中学校1校に通級を設置している。小学校はこの2校がセンター校となり、市内全24校のうち8校に教師が出向いて通級指導しているが、行き届いていないのが現状。宝塚市としては、県に毎年新規設置をお願いしているが、県全体としても毎年3クラスずつしか増やすことができないため、限られた枠の中を宝塚市に持ってくることが難しい。しかし、これからもお願いしていく。
(保護者からの意見) 早急な対応が難しいということであれば、例えば放課後に通う形態など、フレキシブルに対応することも検討していただきたい。

Q5. 先生方、児童や保護者への啓発活動の実施状況。
→教員については上記のとおりで、どの教員も発達障がいについては必ず研修を受けている。保護者については各学校裁量やPTA活動に依る所が大きい。児童への啓発は、発達障がいが何か?ということではなくて、クラスの中で先生の適切な声掛けや雰囲気作りを通して理解を深めるようにしている。

Q6. 幼→小→中への連携が不十分という話をよく聞くので改善してほしい。
→書類等の引継ぎ申し送りはしている。しかし詳細については保護者からの働きかけがなければ難しい場合もある。
(保護者からの意見) 各学校連携に関しては、同じ内容であっても個々の資質によって質が異なるので、やはり全体としての底上げをお願いしたい。

Q7 公立、私立問わず幼→小への連携できる体制を整えてほしい。
具体案は示されず

Q8 宝塚市から他市の幼稚園に通う子どもへのフォローが必要。就学説明についての情報すらない。
→市外周辺地域の幼稚園へは毎年9月頃に訪問している。案内に関しては、問合せがあれば対応するが市をまたぐと難しい。広報には情報を載せている。
(保護者からの意見)特別支援学校、地域の学校の支援級を検討している方への説明会は6月に開催。9月では間に合わないし、全員が広報を見ているとは限らない。
→案内していく。

Q9 現場で働く先生方は、気になる子を見つけても保護者に伝えづらいということがある。先生ではなく発達の専門家などの第三者からのアドバイスが必要だと思われるが、どうか。
→各学校には心理カウンセラー、スクールソーシャルワーカー(小学校は全校ではないが、中学校は全校配置。小中の連携があるので未設置の小学校は中学校のSSWで対応できる)、巡回相談もあるので利用してほしい。教育委員会には看護師、理学療法士、作業療法士、看護師も在籍しており、ニーズがあれば派遣する。

その他、会談した内容を以下に列挙します。
『教育委員会』より → 今年2016年4月から放課後デイと連携をするように国から通達があった。これまでも肢体不自由児については発達支援センターとも連携してきたが、発達障がいに関しても連携強化される。
『教育委員会』より → 宝塚市でも年々、支援級に在籍する生徒が増加している。市内12000人超の小学生のうち400人を超える生徒が支援級に在籍している。個々の障がいの程度人数などから判断して介助員を割り振っているが、枠が決まっているのでニーズを拾いきれていない部分もある。できるだけきめ細かく対応していきたい。
(保護者からの意見) → 個によっては問題行動が顕著な場合もあるが、目の前の問題行動に注目するのではなく、そうしなければならない背景に注目して対応してもらいたい。自尊心に関わることなので、頭ごなしに叱るのではなく丁寧に対応してもらいたい。また、そのことを徹底してもらいたい。
(保護者からの意見) → 『みんなの学校』のような地域を巻き込んで、すべての子どもが同じ教室で学べることが理想。もっと地域に働きかけてみてほしい。
『教育委員会』より → 近隣阪神間の特別支援教員の数は群を抜いて多い。(それでも現場は悲鳴を上げているけれど…)
『教育委員会』より → 障がいの有無に関わらず教育支援課が設置されていて、保護者からの相談窓口になっている。困り事はぜひ相談してほしい。

以上です。