特命委員会を終えての所感

いわゆるLGBTへの対応について、自民党本部の「性的指向・性自認に関する特命委員会」は古屋圭司委員長の下、今年初頭から精力的な議論を重ね、今回4月27日付けで党の考え方と取り組みを取り纏め、委員会にて正式に承認されました。

27日特命委員会(TV①)

私もオブザーバーとして第一回目から参加。本日も委員会において、概略、次のようにスピーチさせていただきました。

『 昨年来、LGBTの問題については、(野党主導ではなく)政府与党が主体となって責任をもって取り組むべきだと訴えて参りましたところ、その流れの中で(私がお世話になった)繁内幸治先生をご紹介させていただくことができ、特命委員会において密度の濃い、実りある議論を尽くして下さった結果、このたび、これほど前向きな方向で取り纏めていただいたことに、心からの感謝と御礼を申し上げます。

全国の地方議会では昨年当時の私と同じく、理解不足から大きな誤解が広がったままだと思います。私も手の届く範囲での訴えは続けますが、やはり自民党本部の皆様が抜本的に啓発対応をしていただきたいと切に願う次第です。 LGBT理解増進の端緒を開くこの特命委員会にオブザーバーとして参加させていただいたことに感謝を申し上げます。ありがとうございました。』

これに対しては古屋委員長から、早急に自民党地方議員へ向けたQ&Aを作成するとの回答をいただきました。

昨年来、自分なりに発言の検証とけじめをつけたいと思い、「保守からの着地点(ソフトランディング)」を模索して様々な活動と行動を起こして参りましたが、今回を節目として一定の結論を出せたのではないかと考えております。

これまでひとかたならぬご指導とご協力を賜った兵庫医療大学の繁内幸治先生には心からの御礼を申し上げます。当初は無理解な私を一方的に指導いただく関係だったのが、僭越ながら、途中からはいわば同志的な協力関係を築けたと感じております。

『 今のままだと野党主導で革新色の強い提案が出され、結局与党はそれに乗れず、LGBT施策は一歩も進まない。そうなると当事者にとって不幸なだけでなく、与党対野党のイデオロギー対立が激化し、将来的には欧米諸国のように同性婚等をめぐって国を二分する議論と対立が巻き起こる。そのような状況は野党を利するのみであり、混乱はLGBTにとっても施策の停滞を招きマイナスである。いずれにせよ、このまま自民党が否定的な立場を取り続けるべきではない。理解が広がれば将来的な対立も緩和され、発展的に議論できる環境も整う。』

このような思考の中、現状を俯瞰すると今なら自民党は動くと直感し、繁内先生にご協力を懇請しつつ、くじけそうになるのを励まし合いながら、紆余曲折と苦労を経て特命委員会に繋げることができたのは誠に幸いでした。

中道含め左派層に対してLGBT問題への理解を求めることは比較的容易なはずです。しかし、強固な固定観念と反対意識を持っている保守層への説得は至難の業です。その困難な部分を自分が担う気持ちで取り組んで参りましたことを最後に付言させていただきます。

27日特命委員会(TV②)

ニュースURL。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160430/k10010504371000.html

自民党の立場を橋本岳・特命委員会事務局長が説明した討論番組はこちら。プライムニュースハイライト(前編・後編)http://www.bsfuji.tv/primenews/movie/day/d160427_0.html

自民党の取り纏めた内容の詳細はこちらです。https://www.jimin.jp/news/policy/132172.html

 

なお、ご参考までに古屋圭司委員長のブログ内容を以下に転載させていただきます。『 基本的な考え方は、カムアウトできる社会を目指すのではなく、カムアウトする必要の無いお互いに自然に受け入れられる社会を目指すことである。

したがって、(性的指向・性自認の多様性を認め受容することは)性差そのものを否定するいわゆる「ジェンダーフリー」論とは全く異なること、憲法24条に規定される「両性の合意に基づいてのみ婚姻が成立する」ということが基本で、多様性を受け止めあうという観点から性的指向・性自認に関する理解増進のために理念法の制定を目指すことが基本的な考え方だ。

したがって、一部の自治体で実施されたパートナーシップ制度についても慎重であるべきで、まずは理解増進を図ることがわが党の基本方針。 連休明けには党内手続きを経て党としての正式な考えとして公約集にも掲げる予定。

この問題に関しては正しい理解促進をすることが極めて重要で、全国の自民党都道府県連や地方議会にも早急にQ&Aを作成していきたい。』