2月前半の活動(写真のあるものを中心に)1

【2月1日(月)】 市議会の人権研修に参加。宮前千雅子先生の「差別の反対は平等ではなく、尊重だ」というお話しに深い感慨をもって耳を傾けました。

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【2月2日(火)】 宝塚市内でスマートフォンを紛失。7日に大阪の曽根崎署に届けられていることが判明。大切なデータを失わずに済みました。日本では相当の確率で遺失物が戻ってきますが、他国ではこのようなことは当たり前ではないそうです。

【2月6日(土)】 昨年から指導を仰いでいる政治評論家・岩田温先生の講演会に参加。マルクス、レーニン、ヘーゲル、フランシス・フクヤマ、サミュエル・ハンチントン「文明の衝突」、エマニュエル・トッド「文明の接近」、アイザイア・バーリン「二つの自由概念」などの概要がシンプルに示されました。

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講義の帰結自体は歴史の終着点と思われてきた自由民主主義は終わりではないかもしれない(次は共産主義ということではないので悪しからず)という問いかけだったのですが、それとは別に個人的にはアイザイア・バーリンについて考えさせられましたので、平成27年8月31日に岩田先生がブロゴスに寄稿した文章を概要抜粋しておきます。

自分の掲げる理念を他人に強要して、正義の社会が実現すると考える「積極的自由」の思想が、数多くの虐殺を繰り返してきた。いまから50年以上も前に、アイザイア・バーリンが鋭く指摘したこの概念について、まさに「積極的自由」を信奉する人の典型的な発言を発見したので、紹介しておこう。

昨日、国会議員が誰もいない国会を取り囲んで、多数の国民が参加するデモが開催された。このデモに参加した政治学者の山口二郎氏が次のように述べていた。
「安倍に言いたい!お前は人間じゃない!叩き斬ってやる」
動画で見る限り、物理的に叩き斬るとはいっておらず、「民主主義の仕組みで」と留保している点は、まあ、ほっとするが、それにしても穏やかな話ではない。

だが、良く考えてみると、「叩き切る」云々という部分よりも、前半の「安倍に言いたい!お前は人間じゃない!」という叫びの方が、危険な叫びだと思える。

山口二郎氏によれば、安保法案を推進する安倍総理は「人間じゃない」ということになるが、この論理に従えば、安保法案を支持する国民も「人間じゃない」ということになってくるだろう。

政治に関与する人間は、自らの「正義」に陶酔するあまり、敵対者を「悪魔化」する傾向がある。これは、古来からかわることのない「正義の狂気」だ。古来より、往々にして、正義が人を殺してきた。ロベスピエール、レーニンといった革命家は、自らの正義に酔い痴れ、敵対者を悪魔化し、大量虐殺を肯定した。

バーリンはこうした自らの理念を社会全体に強要しようとする「積極的自由」の危険を説いたのだが、バーリンの指摘から50年の歳月が過ぎても、自らの正義に陶酔する人間が存在し続けている。

私は安保法案に賛成する一人だが、勿論、人間だ。安保法案に賛成する人々も、反対する人々とおなじ人間だ。意見が異なるだけだろう。

安保法案に賛成するにせよ、反対するにせよ、敵対者を「悪魔化」、「非人間化」して攻撃するような愚かな真似はすべきでない。反対の声をあげるなら、頭を冷やして、冷静に反対の声をあげるべきだ。

(引用元)http://blogos.com/article/131182/