ゲイタウンでの予防啓発活動など

先日、性的マイノリティへの理解を深めるために、BASE KOBE代表の繁内幸治先生や学生インターンと共に梅田堂山町のゲイタウンに行ってまいりました。ゲイコミュニティの「ディスタ」では、主にMSM(男性とセックスをする男性)に広がるHIVについての実際の予防啓発活動に触れることができました(写真)。

厚生労働省のデータではHIV感染経路の70%強がMSMということになっていますが、繁内先生によると、MSMであることを隠して検査を受ける事例が多く、おそらく実際には90%以上がMSMによる感染とのことです。偏見を助長するという理由からHIV感染者はMSMに多いという事実を伝えず、むしろ無関係だという誤った情報が広がったため、日本ではMSMのコンドーム利用率が低く、今でも感染が拡大しています。そこで、最近では積極的に事実を伝えてMSMへの予防啓発を強化する方向にあります。

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当日はゲイバーにも立ち寄り、LGBT法連合の池田先生やレインボー金沢の岩本先生を交えて意見交換し、またご指導もいただきました。池田先生のニュージーランドでのパートナーを含めた大家族の写真を拝見して、新たな「気づき」もいただきました。

その他、ゲイ専門のラブホテルやポルノショップ、ゲイ文化の情報フライヤーで溢れるゲイバーのトイレ、有料発展場と呼ばれるゲイ特有の性風俗や性文化を視察し、見聞を広げることができました。

6月議会での一連の騒動の後、私は性的マイノリティを理解するための勉強会を開きましたが、そのタイトルを「同性婚に慎重な立場からのLGBT支援勉強会」といたしました。11月に予定している二回目の勉強会のタイトルは「保守の立場から学ぶLGBT勉強会」です。これは、かつての私がそうであったように、同性婚だけでなくLGBT支援自体にも無関心、無理解な保守層に意識を持ってもらい、保守の立場からも容認できる着地点を模索したいと考えたからです。

仮に将来、日本でもアイルランドのように同性婚についての国民投票などが行われた場合、このまま保守系政党が性的マイノリティ対策に無関心でいると、左派政党への政権交代の機運が高まる可能性を否定できません。なぜなら、先進各国ではこの問題に関する限り、賛成派が過半数を占めているからです。

そうなれば、明治以降の家族制度の修正どころでは済まず、別分野でもさらなる革新的実験が行われ、日本の国柄が大きく損なわれる可能性が高まります。性的マイノリティの問題を左派政党の専売特許にしないためにも、私を含めて保守層の意識改革を進め、可能な着地点を模索することが必要だと感じております。