文化芸術施設工事請負議案への反対討論

3月27日(火)、本会議における議案第35号の決議に際して、登壇の上、反対の討論を行いましたので、下記にご報告申し上げます。しかしながら、結果は賛成多数で議案は可決されました。

⇒ 自民党議員団の大河内茂太です。

議案第35号「工事請負契約(仮称市立文化芸術施設新築工事)の締結について」に反対の立場から討論を行います。

当局の説明によれば、議案第35号にかかる工事請負契約は「文化芸術振興の拠点施設」を建設するためのものですが、建築の内容は専門的なギャラリーとしては最低限の大きさと機能を備えたものに過ぎず、市民向けのサブギャラリーの面積も十分な広さを確保できていません。

その反面、キューブホールや大屋根広場、市民活動ゾーン、創作・情報ゾーン、屋外広場、屋上庭園など、広大なスペースを確保し、市民交流事業や社会教育事業に施設を供するとのこと。

当該文化芸術施設のメインギャラリー面積(560平米)に近い規模の芦屋市立美術博物館のギャラリー面積は600平米。本市施設の運営見込み額は1憶6280万円に上りますが、芦屋市の美術館運営費(指定管理料)は7400万円に過ぎません。

この違いは、芦屋市が美術博物館機能に特化しているのに対して、本市施設が絵本展示や市民講座、イベント開催など、ギャラリー機能以外の市民交流事業や社会教育事業を予定しているからです。

しかしながら、市民交流や社会教育事業の拠点施設としては、つい先日、中央公民館がオープンしたばかりです。無駄に機能を分散するのではなく、事業の一部を新しい中央公民館にゆだねることも可能なはずです。

厳しい財政状況の中、当局はアクションプランの取り組みに加えて、全ての事務事業の見直しを行いましたが、それでも約20億円以上の財源不足が見込まれています。全事務事業見直しの結果、すでに市民生活には大きな影響がで始めており、市民からの批判の声は日ごとに増しています。

このような状況の中、少しでも支出を抑えるために、文化芸術施設の運営費を見直すべきだと多くの議員が意見して参りましたが、一昨年9月時点の見込み額よりも増大して、年間の管理運営経費の収支差は1憶2660万円にのぼります。

事業内容が不透明な中、更に管理運営経費が増大することが予想されるため、指定管理の詳細についての説明を当局に求めたところ、6月議会で説明する予定とのこと。その重要な説明を聞かなければ、今議会で工事契約議案の賛否を判断することはできません。

国に交付金を返還しなければならないからと、急かされるように議案の決議を求められ、判断を誤った事例は過去にもあります。同じ過ちを繰り返さないためにも、しっかりとした正確な当局からの説明がない限り、議案の決議は差し控えるべきだと考えます。

仮に国からの交付金を返還することになっても、中途半端な社会教育施設にせず、コスト面に配慮した、持続可能性のある、真に市民のニーズに応えた文化芸術施設、ギャラリーの実現に向けて、計画を立て直すべきだと考えます。

以上、反対討論といたします。